けれどもみんなはまだ、どこかの波の間から、
「ぼくずゐぶん泳いだぞ。」と云ひながらカムパネルラが出て来るかあるいはカムパネルラがどこかの人の知らない洲にでも着いて立ってゐて誰かの来るのを待ってゐるかといふやうな気がしてしかたないらしいのでした。


☆派(わかれて)現れる影(かたち)を運(めぐらせていること)を、推しはかる記である。
 幽(死者の世界)の図りごとを致(まねく)。
 修(ととのえて)惹きつける律を推しはかる記である。
 弐(二つ)の記は、詞(ことば)に包まれている。