『色彩の変化』

 この絵の中で色彩が変化しつつあるのか、変化した結果なのか・・・。
 枕・壁・二つの画面を持つフレーム、白黒のゼブラ模様は壁紙なのか、そういう世界(空間)なのかは不明。
 全体モノクロであるが、フレームの中の半分の画面に青色が認められる。

 フレームの影はグレーの壁に認められるが、ゼブラ模様の面はグレーの壁よりずっと離れているらしい空間設定である。
 ゼブラ模様の領域が面なのか空間なのかは不明であるが、どこまでも上方へ伸びていく感があり、《無限》を暗示しているようでもある。

 枕は眠りを示すが、死をも連想させるアイテムである。
 白黒が明白な領域が変形5角形のフレームの背景になっている。フレームというのは何か象徴すべきものを掲げるものであり、二つに分かれた画面は、青色の中に白い尾を引く球体と一方は黒一色である。
 青色は《地球=現世》であり、黒色は《見えない世界=冥府》ではないか。
 白い球体状のものは《魂》、枕(死)から離れゆく霊魂かもしれない。

 死から冥府への昇華のプロセス、重力からの解放、色彩からの離脱、その傾向を『色彩の変化』と呼んだのではないか。


(写真は国立新美術館『マグリット』展・図録より)