夏休みって、いいなぁ、何よりも待ちかねていた夏休み。

 夏休みの平穏・・・何もしない、ただひたすらなにもしない。
 ラジオ体操に行って、ボンヤリしているうちにお昼寝…宿題への意欲もなくただボォーッとしていた。

 何もしないことの喜悦、ろくでなしの子供だったに違いない。なにかを一生懸命やるような健気さに欠けた子供時代。

 それでも父が縄で縛った一貫目の氷を買って来るとみんなでわいわい欠き割って食べたりしたのを覚えている。

 そうして漠然と、大したこともしないで二学期が始まると、その息苦しさにしばらくは頭がくらくら・・・。

 《もっと覇気のある子供時代を過ごしていたら、もっと違う人生があったかもしれない》そんなことを考えながら夏休みという期間の空気に浸っている。