『プロフィルの自画像』
黒と白、黒い部分が作家の横顔らしい。右上に描かれているものは小さくて見えないが混沌を記したものかもしれない。
シンプルである。
一見すると、白い部分が浮上し、次の瞬間(ああ、黒い部分が横顔なのだと気づく)。
〈黒い背景に色紙の切り抜き〉とある。
その黒い部分と白い部分の分量が巧み(厳密)に図られていて黒・白の点滅が心理的に作用する。《在るかとおもえば無い》という交錯である。
わたくしは存在しているが不在であり、本当のわたくしが見えるか?と、問われているような気がする。
平面(二次元)の作品でありながら、三次元的な回転(点滅)を感じる作品は魅惑を秘めている。
(写真は『マルセル・デュシャン』㈱美術出版社より)