カフカの『隣村』隣村にさえ行きつく前に人生が終わってしまうという話。

 若い頃は(まさか)と思っていたけれど、近頃は実感している。(ああ、こんなふうに時は過ぎ去り、過去になっていくんだなぁ)
 そして、隣村(目標)に近づくように見えて、それは、ずっと遠くに座している。この距離は埋まらない、それでも進もうとしているが、隣村(目標)そのものが霧消して見えず、途方に暮れている。

 甘えは確かに在る、困難なことは避けようとする当然の心理に勝てない。
 (昨日もそれとなく終わり)期待すべき今日も、どこか疲れて積極的な体制に欠ける。ずるずると…この表現がぴったりの日常。

(ダメだ、ダメだ)
 
 ダメでもともと、肩の力を抜いて気楽に行こう!

 瞬く間に消えてしまうであろう(わたし)に固執することはない。自由に楽しく呑気に過ごすことの可能な老年時代を謳歌しよう。老女ならぬ朗女で能天気に行く!