享子さんと出かけた桜祭りのフリーマーケット。
 叮嚀な彼女、「今日はやけに風が冷たくて寒いわ」とこぼしながらも、二時間余りをかけて物色。

(ここのお店は、物が上等よ)なんて囁き、一生懸命自分の好みを探している。わたしは身体的な理由から(この細身はパス)とばかり、彼女の大きな荷物を預かって傍観。

「大きいのもありますよ」なんて、こちらが赤面するような優しい売り手の方。
 しばらくすると大きなバックから数多の手作りバックが出てきた。(うわぁすごい、これみんな手作り?)
「母が作ったんです、みんな」という。売り手の方はわたしとほぼ同年代。囲んで見ていた人も「すごいわぁ」と歓声を上げた。
「で、これみんな一つ200円なの?」

 衝撃!!
 手作りバックを幾つも幾つも作る、わたしと同じような傾向・・・。
「母は、着物でも洋服でもバックでも何でも作るんです」と驚くべき発言。

 あまりの感動に、いくつも作って未使用ままま処分までしているわたし、
「これ下さいな」と、一つ頂いてきた。

 つくづく眺めて、ため息をついている。