暖かいお正月は心地よく時間を経過させていく。
暮のうちの慌ただしさは止み、ぼんやりと静まり返っている老人世帯の寂寞。
あちこちに不都合を抱え、破れ傘同然の惨状。見栄を張るほどの意地もなく、ただ呆けたようにTVを点けたり消したりのTV依存生活。
それでも外に出てみると、もう梅の開花が始まって遠目にもチラホラ白く見える。
《再び咲く花》は胸を打つ。
「また今年も、新しく始まりました」梅の花からの挨拶は実に謙虚で清々しい趣きがある。
そう、生きている限りは《初々しい心》で日々向き合わなければいけない。
背は丸くなり、駆けることも適わない足の弱体化、膝痛…皺が寄り、おばあさん然としたわたしの見るに忍びない姿を、誰が笑おうとも自分だけは愛おしんであげなくては!
暖かい冬の日に感謝しつつ、今日為せることをクリアーしていく。(鄙びた容貌の代りに人生の蓄積がある)と信じて、2016年の山に挑みたい。