もっとも、いつまでもおなじ本のところに立っているわけではありません。しかし、それは、本をとりかえっこするのではなくて、席を交替するんです。バルナバスがいちばん感心するのは、席を交替するときにお役人たちがたがいにからだを押しつけあいながら移動する光景だそうです。ほかでもありません。場所が狭いためです。


☆それにもかかわらず、いつも同じ本のままではありません。驚くべきことにバルナバス(生死の転換点)は、交換するのでもなく本を区別するのでもありません。互に位置を交替し、通りすがりに押していくそうです。狭義の空間に関してですが。