水没・・・2002年の製作、この頃はすでに地球温暖化の影響が叫ばれ異常気象が多発している。
 温暖化による干ばつ・洪水…海面の上昇による水没域の広がり…恐怖の予告、予兆にわたし達は慄いている。
  刻々と迫りくる現実は、未だ見たことのない幻でもある。

 水没・・・(世界中にわたり危ないらしい)まことしやかに囁かれるデーターの予想。
 (小松左京の『日本沈没』(1973)にはみんなが驚愕、震え上がった。)

 明日は分からない。幾多の変遷を経て今日の地球がある。水没は予測可能な現実であれば、人類の歴史や重ねられた時間や英知の集積もろともに、水の底に沈み込んでいく日を迎えることは近未来の現実かもしれない。

 若林奮はその予兆をきわめて簡潔、シンプルな形に提示している。

 《ただこれきりのこと》
 しばし深くため息をつかざるを得ない作品の簡潔さは沈黙の語りべであり、非常に重い作品となっている。