
[2nd stage]って何だろう、4線・・・。
「日の出、日没」という大きなステージである。作家は地上に立ち太陽の昇降を感じ、その大いなる空間に改めて衝撃を覚えたに違いない。
この胸に迫るような感動的な時空を切り取り、一つの作品に収めるという仕事は容易ではない。第一に不可能な事象として普通なら断念せざるを得ない。しかし、何としてもその刻々と変化していく時空を切り取り提示したいという凝視の信念が《日の出、日没 Ⅳ》に次ぐ[2nd stage]につないだのではないか。
[2nd stage]とはまさに(4線)、4次元である。幅(線)奥行(平面)高さ(立体)加えることの時間。
作品は左から立体・平面・線、そして刻まれた時間の暗示(提示)が並列されている。
三次元こそが惑星である地球の原点・存在理由である。そして太陽(日の出、日没)による時間の概念が、自分を自分たらしめている根源的な(見えない)形なのだと確信したのではないか。
若林奮の考える彫刻、彫刻というより、存在理由の探究と換言出来るかもしれない。
地表面の危うさ、地下に123枚(3メートル)重ねた鉄板・・・度肝を抜くほどの地下への浸透圧力。それらは地表がいかに浅薄なものであるかの逆説的な証明である。(地球は中心から内核・外核・下部マントル・上部マントル・地殻でできており、言うまでもなく地表面はどんなに掘り進めても、揺れただけで崩壊の危機を孕む薄い表層である。)
若林奮の眼差しは、鑑賞者を目覚めさせる。
作家の熱い眼差し、「この意図が分かるか?」挑戦状二さえ思える作品群である。
(写真は神奈川県立近代美術館/葉山『若林奮 飛葉と振動』展・図録より)