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  そのとき桐の木みなたちあがり
  星なきそらにいのりたり。
       *
  みなみ風なのに
  こんなにするどくはりがねを鳴らすのは
  どこかの空で
  氷のかけらをくぐって来たのにちがひない


☆套(おおっていること)を黙っている。
 章(文章)は普く迷(判断がつきかねるほどに)空(根拠がなく)漂(ただよう)の記である。