よく晴れた日の午後、(そういえば、カフカさん(昆虫)はどうしているだろう)と、思って植木鉢を覗いた。なのに、居ない。
(どこ、どこ、どこなの?)とばかり、草葉を掻き分け、(いけないこと)とは思いながら探索。

 行方不明・・・ああ、鳥か何かに食べられてしまったのだろうか。

 傷心・・・ああ、わたしが騒ぎすぎたために姿をくらましたのかしら。


 そして幾日目かのお昼前、何気に見ると《いたわ、生きていたのね。良かった》姿を見せたカフカさん。

 知らず知らずに恋が芽生えていたなんて!
(でも、どこに隠れていたの?しつこいほどに探したのに・・・)

 なにはともあれ、よかったわ。
 午後には再び隠れてしまったカフカさん。ほんのひと時、日光を浴びに姿を現わしていたなんて!

 この昆虫、ネットで調べてみたら「ツチイナゴ」というらしい。成虫で越冬する唯一の昆虫とあった。(2/5)