けれども、kのほうは、こんな人物に敬意を表するような感覚に欠けていた。彼は、全力をあげてひと目でもクラムに会いたいと努力していたものの、だからと言って、たとえば毎日クラムと顔を合わせているモームスのような人物の立場を高く評価するつもりはなかった。

 顔を合わせる/Augen→Oegan/機関。
 一目/einen Blick→Ahn Blick/先祖、光景。

☆けれども、Kのほうでは、それに対する正しい理解力に欠けていた。彼は全力をあげてクラム(氏族)の先祖の光景・伝記をみるために努力してきたので、生きた機関であるモームス(要因)としての立場を高く評価するつもりはなかった。