それはまた一つや二つではないやうなのでした。消えたりもつれたり一所になったり何とも云はれないのです。
「まるで昔からのはなしの通りだねえ。わたしはもうわからなくなってしまった。」
「番号はこゝらもやっぱり二千三百ぐらゐだよ。」ファゼーロが月が出て一そう明るくなったつめくさの灯をしらべて云ひました。


☆逸(隠れている)字の象(すがた)、溢れる諸の化(教え導く)薀(奥義)である。
 蹟(文字のあと)は二つある。番/くみあわせ、合(一つにする)。
 字を選んで散(バラバラ、それぞれに)飛躍(踏むべき順序を飛び越えてしまうこと)、合せ、推しはかる。
 逸(隠れている)冥(死後の世界)に到る運/めぐりあわせである。