アリゾナはフェニックスに住む月江姉さんへの手紙を持って郵便局へ寄った。
 土曜日の電話を受けての手紙なので一刻も早く着くように、「速達で」と頼んだら、
「こちらでは出来ないかもしれません」というので驚いて「ええっ」というと、仕方なさそうに受話器を取り、どこかへ連絡。

 受話器を持ったまま、郵便業務に関する分厚い本を指で括っている局員さん(婦人)・・・電話は通じているのかいないのかさっぱり・・・話が進行しない様子。
「国際郵便を速達で送るには・・・・アメリカです」
 何か話しているようではあるけれど、話は進展しないどころか再度受話器を持ったままその本のページを当てもなく括っている局員さん。

 待ち合わせの十一時を廻ってしまったのを見て、(ああ、もう十分も電話をかけても分からないなんて・・・)

「普通郵便でいいです。昔二ヶ月近くもかかって着いたことがあるので心配なだけですから」
「普通郵便でも一週間くらいで着きます」と、若い局員さん。

 受話器を持って相手の返答を待っていた局員さんは「そうですか、済みませんねぇ、今度は調べておきますから」と。

 アメリカへは110円切手で届く。安くて便利・・・でも、それ以上の速達って無いのかも知れない。分からないのではなく、アメリカへの速達なんていうものは無いのかも知れない。

 訳の分からない無理をお願いしたわたしの方に非はある!という気が今はしている。
(しかも手紙の内容は、インターネットのメールアドレスなんだから、大笑い)