十八等官でしたから役所のなかでもずうっと下の方でしたし、俸給もほんのわずかでしたが受持ちが標本の採集や整理で、生れ付き、好きなことでしたから、わたくしは毎日ずゐぶん愉快にはたらきました。

 十八等官はトウ・eight(エイト)・トウ・カンと読んで、禱、永遠、灯、歓。
 役所はヤク・ショと読んで、訳、諸。
 下の方はカ・ホウと読んで、化、法。
 俸給はホウ・キュウと読んで、包、糾。
 受持ちはジュ・ジと読んで、授、字。
 標本はヒョウ・ホンと読んで、表、翻。
 採集はサイ・シュウと呼んで、再、修。
 整理はセイ・リと読んで、正、理。
 生れ付きはショウ・フと読んで、照、二。
 好きはコウと読んで、講。
 毎日はマイ・カと読んで、埋、化。
 愉快はユ・カイと読んで、諭、解。
 

☆禱(神仏に祈る)の永遠の灯(世の中の闇を照らす仏の教え)の歓(よろこび)。
 訳(ある言語を他の言語で言い換える)の諸(もろもろ)、化(形、性質を変えて別のものになる)法(手だて)を包み糾(一つにまとめる)。
 授(与えられた)字に表れるのを翻(作り変える、形を変える)、再(繰り返し)修(ととのえ)正す。
 理(物事の筋道)の照(あまねく光があたる=平等)、二つの講(はなし)が埋もれている。
 化(形、性質を変え別のものになる)で、諭(教え導き)解(分からせる、悟らせる)。