もじゃもじゃの灰色の髪とひげをした、やさしそうな、眼の青い良人は、立ったまま子供たちのほうにかがみこみ、ナイフを片手に子供たちの合唱する歌の拍子をとっていたが、歌ごえが大きくなりすぎないようにしきりに気をつかっていた。おそらく歌によって空腹を忘れさせようというつもりなのであろう。

 もじゃもじゃ/zerrauften→zerzupfen/むしってばらばらにする。
 灰色/graven→glaube/信念。
 青い眼/blaugiger→blau/警告、解雇通知。
 やさしそうな/freundlicher→fremde/よその、冷淡な。
 子供たち/kindern→kette/束縛、鎖。
 karviel→feil(fallen)/死ぬ。
 leicht→Reich/国、世界。

☆ばらばらになった信念、冷淡な警告、小舟の状態は束縛されるほうへなだれ込んだが、多くの人は詩歌を理解し、常々やわらげるために気をつかっていた。死の世界を詩歌によってその渇望を忘れさせようというつもりなのだろう。