一念発起の(大)片付けも九分どおりのところまで来て、家の中はすっきり。すると、夫は襖の張替えをすると言い出し、繊維壁で壁も塗り直すとも言ってきた。

 三十年を超えた襖は破けてはいないものの古びてすすけている。
「ちょっと手伝ってくれれば簡単だよ」

 言葉通り、スムーズ。今朝見ると皺も伸びてピンと張っている。(さすが大工の息子、親の顔を見たことがなくてもDNAはしっかり受け継いでいるらしい)

「上手いだろう!」(夫は自画自賛)

 本来、襖の釘はちょっと難しい工法で打っているのだけれど、単純に真直ぐだったり、少し歪んでいたり。
 建築ラッシュの頃で素人まがいの職人の作った安価な代物ということが三十余年にして発覚。それに釘がずいぶん錆びていたから、次は上から張るしかないかもしれないし、次はないかもしれない。


 夢庵で会うメンバーのMさん、「家は四十年でしょう、床だの何だのリフォームしているうちに両隣は家そのものを建て替えしたわよ」と笑った。


 この家で朽ちて死んでいく覚悟のわたし、これ以上のメンテナンスはないと思う。身を軽くしてコロッと向こうへ逝けたらいいなと思ってる。
「さよなら」が笑って言えるように、今日の日を頑張りたい。