ゴーシュは笑って、
「音楽だと。おまえの歌は、かっこう、かっこうというだけじゃあないか」
するとかっこうがたいへんまじめに、「ええ、それなんです。けれどもむずかしいですからねえ」と言いました。
「むずかしいもんか。おまえたちのはたくさん啼くのがひどいだけで、なきようはなんでもないじゃないか」
「ところがそれがひどいんです。たとえば、かっこう とこうなくのと、かっこう とこうなくのとでは聞いていてもよほどちがうでしょう」
「ちがわないね」

☆衝(重要な所)は、隠れている。絡(すじみち)は、化(形、性質を変えて別のものになる)で、現れる他意(ほかの考え)の文である。