「だめだ。まるでなってゐない。このへんは曲の心臓なんだ。それがこんながさがさしたことで。諸君。演奏までもうあと十日しかないんだよ。音楽を専門にやってゐるぼくらがあの金沓鍛冶だの砂糖屋の丁稚なんかの寄り集まりに負けてしまったらいったいわれわれの面目はどうなるんだ。

☆極まる真(真実)に造(ゆきつく)。
 庶(もろもろ)の訓(教え導くこと)を掩(かくしている)。
 総て等(平等)である。
 化(形、性質を変えて別のものになる)が隠れている。
 絡みつく千(たくさん)の悶(思い悩み)も、均(ひとしく)等(平等)にする譚(はなし)である。
 千(たくさん)の赦(罪や過ちをゆるす)も等(平等)也。
 死んだ千(たくさん)の鬼(死者の魂)の衆(人々)を普く免(許し)、睦(仲良くする)。

*金沓鍛冶は、Shoe man(shoemaker)→シューマンの暗示。
 砂糖屋の丁稚は、Beet vender/ベートーベンの暗示。
 つまり、「音楽を専門にやっているぼくらがあのシューマンやベートーベンに負けてどうするんだ」というジョーク。」