一同が台所にさがってしまうと(助手たちも、こんどはすぐに出ていった。むろん、女中のひとりの尻を追っていったのだが)、さすがのお内儀も、仕切り部屋にはドアがないものだから、ここで話すことはすべて台所へつつ抜けになるかもしれないと気をつかって、みんなに台所からも出ていくようにと言いつけた。一同は、すぐその命令にしたがった。

 ~ない/kein→Kahn/小舟。
 仕切り部屋/Verschlag→verschlagen/ずる賢さ、狡猾さ。
 ドア/Ture→Tour/企て。

☆しかしながらこの死が教会に戻ると、助手(頭脳)たちも同じようにあとに続いた。むろん先祖の権力の影だったが。
 お内儀(監視/親衛隊)は小舟という狡猾な企てについて、ここで話すことは教会のすべてが聞き知ることになるからと十分に気を廻してみんなに教会から出て行くように言いつけた。すぐにみんなは従った。