ところで、そうだとすると、ふたりのあいだには、いまもそういう関係は存在しないわけです。逆にそういう関係があったとするならば、あなたが正しくもおっしゃったように、クラムの眼から見れば無にもひとしいわたしのような人間が、いったい、こうしてその邪魔をしたなんてことがありうるでしょうか。

 oder→Ode/荒涼とした。
 正しく/richtlig→lichten/明るくなる、解明される。
 眼/Augen→Organ/機関。
 邪魔をする/gestort→gestorben/死去した。

☆その場合はここに存在しないわけです。荒涼としたところにあなたの存続がありうるならば、あなたが解明されるとおっしゃったようにクラム(氏族、先祖)の機関から無のような先祖が、いったいどうして死去したなんてことがありうるでしょうか。