人は誰でも年を重ねていく。重ねていくということはある時期を境に退化していくということでもある。

 自然の理・・・抱いた希望を幻想に変え、忘却という手品で消していく。精神世界はそれでも問題はないけれど、物理的状況はそれを許さない。
 失われゆく細胞の変化は、機能の低下という症状を呈し痛みと不安の重圧をかけるので、肉体の劣化は忘れえぬ日常なる。

 寿命との闘い・・・ゴールが見えてくるような気がするけれど、本当のゴールが見えないので楽観と悲観は交互にやってきてわたしに囁く。「あと少し・・・」「まだまだずっと・・・」と。

 永遠はない!これだけは断言できる。
 
「白露や 死んでいく日も 帯しめて」(三橋鷹女)

 年を重ねるということは、覚悟のいることかもしれない。