片づけ屋という生業が成立するのも肯ける。

 確かに片付けるという作業は困難である、なぜなら総ての物には、愛着や思い入れがあって、過去の状況が鮮明に浮かび上がるから処分にはかなりの勇気と決断が必要になる。

 躊躇・・・しばしの深い感慨。
 手はそこで止まってしまう。

 この状況を解決するには、微塵も思い入れもない他人の手が一番早い。


 わたしはわたしであってわたしではないという覚悟。わたしはこれら雑多の物とは何の関係もない他人であるという錯覚を無理にも抱かせる。

 ああ、こんな面倒な経由を経て捨てられていく物たちよ。
 過去の時間は捨てるという決断・・・振り返っても道はないという景色に慣れること。

 しょっちゅうこんなことを私語しているわたしは、やっぱり過去に未練を持っている。(人間だもの・・・)

 そう、わたしが死んだら、片づけ屋さんに頼んで全部捨ててもらって下さい。(この約束に惑いはありません)