昨日『新日曜美術館』で、Lee.Uhan.のニューヨーク展を紹介していた。あんなふうに会場全体を映していた画面を見てハッと気づいたことがある。

 そうだ、Lee氏は「もの派」とか言われていたけど、視点は物に有ったのではなく、物を凝視することで、あたりの空間の在り様を見せていたのだ。
 空間(見えないもの、無いもの)を見せることは、不可能である。その不可能を可能にする形、距離感・・・ヒューマンスケールでの体感を自分(作家としての眼)を通して厳密に計っていたに違いない。

 空気を読む、体感する、空気が変形することを鑑賞者に凝視して実感してほしかったのではないか。
 至近距離でもダメだし、遠すぎる傍観でもダメである。それを見る、発見する距離を鑑賞者自身が鋭敏に把握することが、Lee氏の作品の鑑賞姿勢なのだと思う。
 絵画作品を鑑賞するという受身では見えてこない作家の本髄。あくまで鑑賞者の能動的な発見をこそ望むべき作品の配置であることをTVの画面に気づかせてもらった。

 立体作品、二次元での作品・・・今回のニューヨークでの仕事は更なる緊張、緊迫が・・・見ることの昇華とでも言うべき抽象的な厳密を垣間見た気がする。