すべて二重の風景・・・屈折率。
 これは、現世と来世の異空間の重複・・・その空気の密度の差異(屈折率)を暗示している。

『風の又三郎』はそのまま、風の又三郎でいいに決まっているけれど、もう一つ賢治が隠した主題が潜んでいる。どの作品においても。

 さわやかな九月一日の朝でした。

 九月・・・九は、句(言葉)のうえの一(uni→Univers/宇宙)/世界の眺(ながめ)でした。とも読める。
 言葉が暗躍し、他の世界へ導いていく・・・作品の世界が大きく膨らみ、究極永遠の真理、賢治の願いが浮かび上がるという構造。普遍の真理のための虚構である。