人の日常は必ずしも平坦ではない。
 心無い言葉で傷つくことはむしろ日常的であると言ってもいいかもしれない。仮に人に悪意がなくとも、疑心暗鬼・・・思い過ごしが自身を傷つけていくこともある。
 
 人は、弱く悲しい生き物である。

「いつか、敵をとる!」
 ごく大人しい人の口から漏れ聞くことがある。軽蔑することは簡単かもしれないけれど、自身の中にも潜在している暗黙の小さな報復の芽が無いとは言い切れない。

 打ち消して忘却の彼方に葬り去る敵意・・・。
 ふと疼く過去の傷・・・。

 人は誰も聖人になることは難しい。どこかで欠けた痛みの修復に努めている。
 因果応報・・・天に唾する・・・。
 
 傷だらけの爆弾をなだめすかし、消滅を図っている。しかし・・・。

 不条理ゆえの爆弾の内包を、人は処しかねている。