博物館の植物観察で大楠山へ行ったとき、山道の草むらに美しい青紫の花を見つけたので、
「あれは何?」と聞くと、
「ああ、あれは、トリカブトね」と教えられた。

 ああ、これが事件などで聞く《トリカブト》
 しみじみ眺め入り、(これが毒草・・・)と独り言。

 青洲は、麻酔薬をこのトリカブトと芥子の調合によって完成させたと聞く。
 限りないほどの植物のなかから選び取り、危険極まりない毒草から今日では欠かせない麻酔薬を発案。

 学究の積み重ね、今日に至るまでの進歩の過程・・・。
 トリカブトの美しく可憐な姿に思いを馳せた山の散策。
 大いなる人類の英知、その驚愕、驚嘆を小さな花に見て大感動。