チャイムが鳴ったので出てみると、庭に咲いた切花を持って90才のKAさんが立っていた。
「仏さんに・・」と差し出された菊の小花・・・。
 見ると買い物袋を提げている。
「どこへ行くの?」
「うん、ちょっとね」と言う。
「わたしも一緒に行こうか」と言うと「待ってるよ」と笑顔。
 杖も使わず、足早に歩くKAさんはわたしの憧れ。
「すごいね、健脚で」
「なに、せっかちなだけさ・・・だから、つんのめっちゃって。あはは・・・」
 以前、犬が急に向きを変えて走り出したとき転倒したことがある。そのとき彼女は
「今日は上手く転べた」と言ったことは記憶に新しい。

 それでも年配者を道路の内側にと、わたしが彼女をカバーすると、
「大丈夫だよ、轢かれやしないよ。でもありがとう」と、言ってくれた。
 Fスーパーへは800メートルほどある。
 その距離を難なく達者に歩き、「夕方また来ようか」と言うので、
「なぜ?」と聞くと、
「お砂糖が98円になるんだよ」という。
(いやだよ、二回も行くのは・・・)
「・・・・わたしはちょっと・・」と尻込み。

 帰り道、90才のKAさんがわたしに言った。
「重そうだね、一つ持ってあげよう」
・・・・そういうあなたを尊敬!・・・そして、わたしの希望でもあります。