「Bibliotheca[#01]」

 図書館(図書室)、書籍は過去の情報の集積である。
 書籍の中に潜む時空間は言語(文字・活字)で表現され意味を内包する動かしがたい証言であり、伝えるべくした記録である。

 その光景(一端)を写し取る作家の眼差しに演出じみた作為はなく、ひたすらありのままの情景を伝える熱意には圧巻の態がある。古ければ古いほど、読者の数が多ければ多いほどその厚みは増幅する。
 即ち《時間と叡智》、書き手と読み手の交じり合う大きな時空、秘められたこの現場は厳かを醸し宿している。

 人類の目撃感知した事実は書籍の中にあるはずだと、人は問い更なる探求へと発展させる重要な拠点である。沈黙する書物、図書室の静謐は人類の英知と優れた探求心とのせめぎ合う場所(領域)であれば、この交錯する空気には貴重な精神が宿っている。
 決して見えない、見えないが確かに存在するものである。

 その見えないもの(空気感)を捉えた一枚(仕事)に震撼とする鑑賞者は多いのではないか。見えないものを見せているからである。

 写真は日経「ブツドリ」展より