自画像=私は七月に犬の頭蓋骨を描いている。(七月に犬の頭蓋骨を描いている私)⇔(自画像)であり、世界(対象)は現世と冥府の二重になっている。
境界は複合的に差異を含有しつつ隔離、解放されているので判別は部分的に検証していかないと見えないが、そのことでさえ全体を見ると霧消してしまうという不思議、奇妙が内在している。
犬の頭蓋骨(死骸)の肉体はすでに消失し精神の呼応はない。画家(私)はそれ(死)を描いていると明言している。視ると、その頭蓋骨に射す光の拠りどころが不明である。画家(私)と犬の頭蓋骨は同じ空間にあり、画家の背後には光指す窓があるのだから。
不一致、不合理な差異を合成して虚実一体の時空を創作している。
※七月は一年を明暗(現世と冥府)に分けた境界として後半(冥府)の領域ということだと思う。二つの時空の交錯を実写(リアル)に描いた息をのむ作品である。