俳句を読む。54 夜の色に沈みゆくなり大牡丹(高野素十) 夜の色は深い、決定ではなく風流を秘めた暗色である。 時空が刻々彩色を落としていくなか、華やかな大牡丹は闇に融解していく。誘われて魔への沈み込みを許す大牡丹、大牡丹の方が夜を誘い込んでいるのかもしれない。 夜という透明な暗色には、品格ある女王(大牡丹)を沈めていく魔力がある。