『1-1-4』[無題]

 膝を立て仰向きに床に伏す少女、膝に留まる蝉の口と少女の口から出る息(空気)が結びついて(直結)いる。
 この目に見えない雰囲気は何だろう。異種の生命体に通じるものは、むしろ何もないのではないか。にもかかわらず繋げている。

 愛でも要求・伝達・攻撃でもない・・・原始、生命の源は単一であったということか。
 裸身の少女、もちろん蝉に装いのあるはずもない二者の共通項は、今という時空に存在しているという事実だけである。

 生物、生きて在るものの最大の課題は呼吸をすることである。組織の構造の差異、大地に足を付くしかないものと、飛揚を手段とするものとの共生社会の一端を切り取った図かもしれない。

 写真は「若林奮『飛揚と振動』展より