それとなく風に裏ある若葉哉

 それとなく、きわめて抽象的な形容であり実態は不明確である。何となく目立たないように遠回しに、触ることも掴むことも難しい空気感。しかも、(それとなく)は風に係るようでもあり裏に係るようでもある。物理的にいえば、風に裏という形容は付かず若葉の裏なのかと。

 それとなく揺れている、それとなく読後感に曖昧さの余韻が残る。
 要するに《微風》である。幽かに若葉の表裏が、と暗示し、心理の常態(観念)を覆す。
 つまりは具象表現でありながら《抽象》の世界観を醸し出している。

 それとなく風に裏ある若葉哉(其無風裏有若葉哉)はキ・ム・フ・リ・ユウ・ジャク・ヨウ・サイと読んで、記、謀、普、裏、有、若、用、催。
☆記の謀(計画)は普く裏が有る若し。
 用(必要とすること)は催(促すこと)である。