『1‐1-5』

 フォルムは女性(少女)のようである。背後に何かがあり、少女自身の足は浮いている。
 背後の何かに依存しているのである、背後の何かが彼女を引っ張っているとも言える関係である。

 存在とは何であるか。
 自身の足で立つことではなかったか。抗う術なく、ゆったりしているように見える。しかしこの姿(姿勢)を鑑賞者自身が試してみれば決して安穏ではいられず、持続すればむしろ苦しい。

 彫像(立像)は人物(対象)を想起させる。しかしこの『1‐1‐5』は人物の内面、有り様を示している。
 安穏に見えて安穏ではない、むしろ苦悶・苦渋であるが、その事実は隠蔽されている。

 写真は「若林奮『飛揚と振動』展より