壁面に設えるはずのものが床面に、意外というより邪魔、決して在ってはならない場所への設置である。
 故意への憤懣が残る。
 もし故意でないとしたら・・・頑なに在るべき位置でない所にあるという不条理。払い除けたい違反、敵意の対象にもなるうる違反が神の思し召し(自然)であるとしたら。

 可笑しなもの、違反、正常でないものへの嫌悪。
 誰が見ても《違う》という見解に抗うことは難しい。

 《絶対》という正解、見解を覆す『罠』という作品(意志の表明)は解り難い。ゆえに完全に打ち消される『罠』の悲哀。
 受け入れ難い存在の悲鳴、告発は足蹴にされ笑止の的でもある。

 当然の人権、デュシャンの告発がここにある。

 写真は『DUCHAMP』TASCHENよりジャニス・ミンク