俳句を読む。37 春の雲梯子外して運び行く(茨木和生) 春の雲はどちらかといえば薄く流れるようである。 その隙間から漏れる太陽光線は美しくも神秘的であり、梯子、海岸線などでは(天使の梯子)と称される。 梯子を外すというのは雲が移りゆく景に従ってその梯子も移動していくと(運ばれていく)という大きな空間の静かなる転移を仰ぎ見ている景である。時間と空間の切り取りの確かさ、消失を必須とする儚さに心打たれる。