非常に丁寧、巧みに創られた道具箱。当然至極貴重なものが納められるのに相応しい箱である。そして時間を経た年代物、歴史がある。

 中身(内容)は箱の外に並べられている3つ(3つの停止原基と名づけられたもの)。この3つの不定形な線状、偶然(任意)としか考えられない形状が《原基》であると認定する経由は、総て(世界)に開放されるべき告発でもある。
 千差万別、同型のものは存在しないという倫理、つまりは平等につながる論理である。逆からの責めは静かに提示されている。

 写真は『DUCHAMP』ジャニス・ミンク/TASCHENより