
『花嫁』
不思議な画である
克明・丁寧にもかかわらず、どこに焦点があるのか、どんな空間構成なのかが見つからない。
生産性がある機械(からくり)に見えてつながりは断絶している。ハイライトがあるのに、遠近の立体性が不明である。細い線・太い線・曲線・平面・球体・流体・・・あらゆる種類の形態が組み合わされている。
ただその究極の目的が見えない。左右、バック、上下が鮮明に見えるのに、不鮮明なのである。
漠然とした配置組み立て集合、これが何かと問えば『花嫁』だという。
花嫁、結婚の際の美称であるが、この名称の真の実態はなく宙に浮いている。花嫁は確かに存在するが、不在(美称)でもあり、一時的な呼称に過ぎない。永続性を臨むことの無いものである。
《有るが無い》、存在の隙を衝く作品(タイトル・画)に唸らざるを得ない。
写真は『DUCHAMP』TASCHENより