
『巡礼者』
巡礼者…信仰のために聖地(聖人などに関係のある神聖な土地)を巡る人である。
なぜ着衣の中に入るべき肉体がなく、空なのだろう。
身体(実態)と着衣(生活手段)の隔離は、精神の遊離そのものではないか。顔(脳裏)だけが着衣にズレて描かれている。
顔(脳裏/思考)と着衣(日常生活、生産消費)は分離している。つまり、巡礼者は日常を離れざるを得ず、ひたすら崇拝、敬意の対象に心頭を滅却する意を以て参詣を続行する人であるとの形象を描写したのではないか。
傾倒の賛否ではなく、むしろ《問い》であると感じる。
写真は『ReneMagritte』展覧会カタログより