『真理の探究』

 水平線、石積みの室内に魚が立脚(?)している。
 魚は軟体でなく硬質なものに変容している、質の変容、泳ぐしか生命維持の方がない魚が目を開いて立っている。
 どう考えても条理を外した光景である。
 有り得ない、絶対不可を可能にした情景にため息をつく。

 海(水)の水平は永遠の条理であるが、対峙する石造りの室内の異常は不気味に過ぎる。
 この光景を以て『真理の探究』とタイトルする真意は?

 条理と不条理の並列、真理はこの隙にあるということだろうか。
 重力下の前提で物(光景)を見る鑑賞者は立脚した魚を許容できないが、《有る》と肯定されれば肯かざるを得ない。

 真理は《存在ありき》を強引にも納得させる、既成事実の集合にあるのかもしれない。

 写真は『ReneMagritte』展覧会カタログより