『ゴルゴンダ』

 ゴルゴンダはダイヤモンド産出によって栄えた過去の都市だという。
 富裕、人間らしい暮らしを謳歌したということかもしれない。その都市・・・任意の都市である。

 建屋は何階建てかは不明であり、地面の描写は欠けている。数多の人、群像というにはまばらに散在している人たちが空に垂直に立っている、浮いている。
 まるで塵埃、空中の埃の態であるが立派な着衣を見ると、暮らし(生活)の困窮はなく豊かな階層の一般人(生活者)である。

 この時空を埋め尽くすような人は何だろう、集団というにはそれぞれに距離がある。しかし、並べて同じような顔(様相)は様々な人を示唆しているのでなく、人はみな同じという認識で捉えている。

 この風景はどことなく怖い、恐怖でもある。あらゆる角度から見られている拘束を感じ、どこに焦点を当てるべきかも不明である。拡散・・・どこまでも終わりがない。

 微塵に散らばる人、人、人。
 空気は人で満ちている。
 そ知らぬふりで監視されているような社会の恐怖、「明るい地獄絵」の趣がある。

 写真は『ReneMagritte』展覧会カタログより