屏風絵の鷹が余白を窺ヘリ((中原道夫)

 活きた構図である。
 描かれた、絵の中の鷹が余白を窺っているという気迫。 肉迫の描写、鷹が二次元たる絵の中から画面の余白に対峙しているというのである。余白はすでに三次元の時空を孕み鷹の緊迫は厳然とし、作品という平面を超えて存る。


 練炭の火の絶壁を風のぼる(斎藤空華)

 練炭の火の絶壁、無風である。
 空気の圧が炎を押し上げ、生じる流れは垂直の風となる。まさに絶壁の態である。


 たらたらと日が真赤ぞよ大根引(川端茅舎)

 ゆっくりしていると、すでに夕日が赤く射している時刻である。(真赤と真白の対比)

 日はヒと読んで、秘。
 真赤はシン・シャクと読んで、真、釈。
 大根引はタイ・コン・インと読んで、他意、混、隠。

☆たらたらと秘(人に見せないように隠したこと)が真(本当)の釈(解釈)である。
 他意が混じっていることを隠している。