しぐるるやほのほあげぬは火といはず(片山由美子)

 目が潤む・・・好き、嫌い、好き、嫌い、すき、きらい・・・。
 ほのほ(炎)、情熱を本気で露呈する、恥知らずでもいい、確かな自分を曝け出す。胸を張って今の自分を表明する。滑稽、若気の至り? 傷を怖れず着火する、恋の炎は上げなければ燃えることもない。
 たとへ道化に終わろうとも・・・。


 とけるまで霰のかたちをしてをりぬ(辻 桃子)

 雨だと思ったら霰である。掌に受けた霰の愛おしさ、瞬く間の融解。
 鋭く痛みさえ感じる霰という現象の儚さ。霰が霰のままでいるときは短い。
 己に比しての慟哭、無常。
 解けるまでは霰の形をしているこの時を凝視し、移り変わる時の間を胸に納め確かめる感触。
 いつか・・・時の刻みは生あるものの宿命かと。