死は狎れを許さぬものぞ寒日和(飯田龍太)

 死は狎れることを容赦しない。神聖な儀式であり、出ることの叶わぬ入口(門)である。
 いかなる理由があろうとも、死に到る門にあたかも親しみ、礼を欠くことは決して許されることではない。
 この寒日和、眩しいほどの光が差す日和に(まだ死んではいけない! 死を軽く甘く見てはいけない)と自身を律する声がする。寒気極まる時空の中、厳命に震えている。


 寒晴やあはれ舞妓の背の高き(飯島晴子)

 冬の晴れわたる空のもと、なんと趣のある舞妓さんの姿であろう。歩調の情緒、見れば高下駄の彼女は一段と背を高くし、晴れがましい様相である。
 装いの趣き、独特の歩調、寒晴れの空気のなかの華やかな緊張感、しみじみとした香りに満ちている。