竹藪のなかの起伏も年の内(飯島晴子)

 竹藪の中…よく見通せない朦朧、真相が定かでない出来事、ギクシャクとまとまらない関係。そんな盛衰ある煩雑な日常の起伏。
 山あり谷ありというほどではない微妙な些事の行き違い。もやもやした経過も年の内できっぱり区切りを付けよう、覚悟ある年の内である。


 ともかくもあなた任せの年の暮れ(一茶)

 あなたは特定の人を言っているのではなく自分の周囲全ての景色。
 ともかくも、何や彼とあわただしい景色ではあるけれどあなた任せ、自然に委ねて気楽にいくしかない年の暮れである。なるようになるという大らかさでゆったり年の暮れを客観的に傍観している。


 ゆく年の硯を洗ふ厨かな(三好達治)

 この一年の喜怒哀楽・・・複合的に絡みつく心残り。口惜しく悲しい憤り、後悔もあったし、思い人への未練もあったかもしれない。
 錯綜する思いをすべて流してしまおう。いろいろ書き綴った硯、付着の墨までも洗い流し新しい年への心づもりをしている薄暗い厨の片隅である。