
『青春の泉』
鷲が羽を広げた形の石碑にはROSEAU(葦を意味する語)と刻まれている。右端には石化の一葉。左端には巨大化した馬の鈴(伝説、口伝、噂etc)があり岩地と海、空は朱赤である。
謎のような画であるが主体は葦(考える葦である、思考)である。想像力(思考力/創造力がすべてを支える力であるという暗喩か。鷲と見えるのは鳩(大家族)かもしれず、人類、世界の意を潜ませている。
一枚の葉を鳩が咥えて来たということから始まった大家族の口伝。《真赤な嘘である》という告発にも見える。
思考が生み出す口伝の永続性・・・マグリットはその強力な信奉を遠く、それらが石化する果ての地点から眺望している。決して否定ではない、肯定的にそれらの消滅(変遷し石化の果て)を見据えている。マグリットの真意が隠れた『青春の泉』。
マグリットの胸の内を密かに覗き見る心地で『青春の泉』を見て感じている。
写真は『ReneMagritte』展覧会カタログより