
『幕の宮殿』
幕の宮殿? 隠された宮殿・・・ここは劇場の幕間か。
芝居(時代)の一段落の終了、次の場面に移るまでの幕が下がった状態かもしれない。
切れ切れの風景、心理、物理の混在。それぞれ着地しているが上部は変形であり、こうあるべきという直角四辺形からは外れている。概念の破壊、崩壊。
自然の光景に闇(暗黒)が交互に重なっているのは、歴史的時間だろうか。
バラバラな主張、それぞれが連結していない孤立。しかもフレームのんかに閉じ込められている極端な終末(果て)
宮殿、君主の御殿である。
馬の鈴(口伝、噂、風評)、不可視の暗躍、そして空や林の自然までをも封鎖、閉じ込め私有していることの静かなる異様。この静けさは崩壊の予兆かもしれない、幕間の次の場面を繋げない景色である。
写真は『ReneMagritte』展覧会