奇麗で聡明な従姉たち、洋服を自分で仕立て、わたしたち姉妹にも作ってくれた着衣を今でも覚えている。三人の姉妹は朗らかに笑いさざめき慎ましくも美しかった。亡母の姉、叔母さま家族。一人の弟のために姉妹が尽力、彼は大学を出た後、繊維の発見をなす功績を残している。(テレビから女優の岸恵子さんが「ウィ、ベスロン」と宣伝したのに見入った覚えがある)
三人の姉妹の内、一人残された真ん中のHさん、92才だと言い、94才の夫の介護に明け暮れていると、従姉の静江さんから連絡が入った。
階段があるから買い物も不自由でセブンに全てお願いしているらしい。
超きれい好きなHさん、窓ガラスの汚れをしきりに気にしていたという。
わたしは彼女たちの家の四畳半で誕生している。羨ましく憧れ、優しい眼差しで見つめてくれた従姉たち・・・。
あれは夢だったのかとさえ思う昔日の快活、笑顔。
迎えるべき苦境はもう足元にきている。
どうなるのか、これから・・・。不安に負けないように動悸を押さえている。