荻窪の喫茶店と書こうとして今はカフェなんだと気づく。
昔は喫茶店(純喫茶はお酒を出さない)
ああ、もう六十年近くも経ってしまった茶店務め、京急黄金町駅前の純喫茶「城」。ヤクザの出入り、嫌がらせにも負けないしっかり者のママは老母と娘さん(小学生)の三人暮らし。
駅のゴミ収集の人たちには必ず珈琲を振る舞い、祭り(パレード)の時には従業員それぞれを順に見物に送り出すという気の使いよう・・・。ちなみに賄はシンプルだけれど(わたしにしては)豪華で、皿にレタス、牛肉には感動。
店を辞めた何年か後、黄金町駅近くの居酒屋で彼女のパトロンを見かけた。北海道から月一でやって来ると言い『彼女に店を任せておけば心配は無用』だと語っているのを目撃したことがある。信頼に足る貫禄十分、おしゃれな女だったことなど懐かしく思い出した。
喫茶店で働いていたのに、カフェの名には馴染みがない。カフェと言うとき何故か照れくさいわたしである。